心が苦しい時、行き詰った時。この曲を聴くと、気持ちが楽になります。
それは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番Op.18です。
なぜか、心の病んだ時に聴くと、たちまち癒されるのです。それも、ちゃんとした理由があるのです。
ラフマニノフ自身、鬱という精神の病を抱えて苦しんだということ。そして、鬱から解放されたときに作曲されたのが第2楽章とのこと。
詳しくは、ウィキペディアに載っていますが、まずは聴いて感じて頂きたいところ。とても長い曲のようですが、どん底の状態から聴いてみて心が軽くなるなら短い時間だと言えるでしょう。何度も繰り返し聴いて涙して、徐々に心が軽くなっていくでしょう。
実は、私自身も心を病んだことがあり、とても苦しい時期がありました。病院の入退院をわずか2年の間に何度も繰り返して、とにかくもう治らないと絶望していました。心が壊れたことから、いつも苦しくて呼吸をするのも辛い時期でした。
でも、ようやく自分の体質に合う薬が処方されて病気も改善して落ち着いたころ、当時のピアノの先生から「辻井さんのピアノのコンサートに一緒に行きましょう。」と誘われました。
そのころに、辻井さんのCDも売り出されていて、喜んで購入しました。その中に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番Op.18があったのです。
最初は、ラフマニノフのことを殆ど知りませんでした。もちろん、彼が鬱で苦しんでいたことなど、何も知らなかったのです。
それなのに、奇跡が起きたのです!
何度も入退院を繰り返していた私が、もう入院しなくて良いほど病状が改善して、仕事にも復帰できたのです。もちろん、その職場に通う電車の中でも、常に辻井さんの「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番Op.18」をイヤホンで聴いていました。不思議と体調も段々良くなっていき、病気の再発もしませんでした。ただし、通院と服薬は続けていたのですが、それでも大きな変化でした。
そして仕事も順調になった頃に、偶然知り合いにこの話をしてみたところ、なんとラフマニノフが心の病を抱えていたこと。そして、病から解放された喜びの中で第2楽章を作曲されたことを知り、とても驚いたのです!
自分の病も、いつの間にか段々楽になっていった理由がハッキリとわかったのです!
今では、そんな苦しい時期があったことが、まるで嘘のように元気でいるのですが、とにかく音楽の持つ力に驚愕したのです。
いつしか私は、自分のため、そして誰かのために、音楽を続けていこう。学ぼう。そう思い始めたのでした。