音と癒しの時と空間 vol.5


私の母校には、「ゲーテの森」と呼ばれた緑があり、その奥の方に離れの建物があり吹奏楽部の部室が2Fにあった。私は、ほぼ興味のない授業はサボタージュして部室で音楽を聴いて過ごしていた。(ちなみに1Fは、社会科研究部)

吹奏楽部といっても、2~30人くらいしか所属していない、規模の小さな学部だった。だから、ノリのいいアップテンポの曲を演奏するのが大好きで、アンコールは「宝島」「コパカバーナ」「ブラジル」「テキーラ」と、こんな曲を、真剣に研究してアドリブはどうする?とか、衣装はどうする?とか、振り付けをどうする?と、目立つことを一生懸命に考えていた。

特に、指揮者がアロハシャツで麦わら帽子をかぶって出てきて踊りながら指揮をするのが定番だった。

もちろん、音にもこだわった。

私は、オタマジャクシの苦手な部員だったのですが、Tubaを担当し、リズム感を生かして勝負していた。元々、肺活量には自信があったので、女の子には出せないだろうと思う音も出していた。

「宝島」では、Bassの音をTubaで吹いていた。とてもカッコいいBassラインに酔いながら演奏していた。どこか、大きな船で波に乗りながら、夢いっぱいに宝島に向かっている。そんなイメージだった。

一緒に演奏している仲間たちは、共に旅する船員のようだった。

時々、アドリブのメロディーが軽やかに流れてきて、スポットライトや色んなライトがぐるぐると舞台を照らした。

とにかく、原曲はこんな素敵でカッコいい曲です。

T-SQUARE というグループで、たくさんの名曲があるけれど、自分はこれが一番思い出があって大好きな曲です。

いつでも、この曲を聴くと、まだ見ない未来に向かって夢見心地な自分の心に戻れます。そして、自分の周りにたくさんの仲間がいることも。

その素敵なメロディーを作曲した方が、晩年solo piano で演奏した画像がありましたので、紹介します。

こんな、素敵な曲を作ってくださり、本当にありがとうございました。

人は去っても、メロディーは足跡のように残っていくのですね・・・

なんだか、涙が出てきます・・・永遠の宝島に向かって・・・


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